任期満了に伴う厚真町長選は、現職の宮坂尚市朗氏(68)が無投票で5選を決めた。25日、町本町の選挙事務所で5期目の抱負を聞いた。
―無投票が3回続いた選挙結果をどう受け止めるか。
「自分の主張がどこまで町民に浸透しているか不確かなところがあったが、それなりに認められ、これまでの歩みが評価されていると思った。公約や積み上げてきたものを議会でしっかりと評価していただき、議論を重ねていきたい」
―5期目に掲げる政策は。
「カーボンニュートラル(CN、温室効果ガスの排出ゼロ)の政策を具体化していく。子育て環境や教育、自然環境など町のリソース(資源)を多くの都市住民に提供するため、2地域居住も大きな柱とした。庁舎周辺整備構想と上厚真地区でのゼロカーボンビレッジの建設は復興のシンボルとして考えている」
―町の現状と課題をどう分析しているか。
「人口減少が止まっていない。農業を含め、産業界を担う人材の数が減っている。外から人材を受け入れるため、必要な受け皿づくりをしたい。また、地域のコミュニティー力が低下している。一人ひとりが密接な付き合いができる場や、にぎわいを創出するため、担い手を集めて、ちゃんとしたプラットフォーム(基盤)をつくるように導いていかなければならない」
―胆振東部地震から6年目を迎え、被災者ケアにはどのように取り組むか。
「心のケア、生活再建に課題を抱えている方がいる。生活に悩みを持つ方もいるので、一人ひとりの事情に合わせてケアできるよう、重層的な相談窓口、福祉サービスを充実させていきたい」
―これからの4年間でしていくことは。
「柱にするのは、庁舎周辺整備と、ネットゼロエネルギーハウス(年間の一次エネルギー消費量がほぼゼロの住宅)を中心としたゼロカーボンビレッジの開発。再生可能エネルギーの活用、農業分野での循環型社会の形成などにも、新たな視点で取り組みたい」