大腸内視鏡検査前に排便状況を確認する前処置について、人工知能(AI)で便の状態を判定するアプリを開発したと、国立がん研究センター東病院などの研究グループが発表した。
同検査を行う前には、下剤を服用して腸管内の便を出す必要がある。検査を受診できる便の状態かを患者が見極めるのは難しく、看護師が確認する場合は業務負担の増加や判定結果のばらつきが課題となっていた。
そこで研究グループは、同院で検査を受ける人を対象に、前処置の後に撮影された便画像を収集。機械学習により検査が可能な便の状態かを判定するAIモデルを構築した。
2021年5月~22年3月に同モデルを用いたアプリで前処置を行った患者104人のデータを使って精度を検証。その結果、腸管洗浄度が適切で検査を実施できた割合は99・0%だった。研究グループは「看護師に便を見られるという患者の心理的負担や、便の状態を確認する看護師の業務負担軽減が期待できる」としている。
(メディカルトリビューン=時事)