白老町婦人団体連絡協議会(婦連協、吉田和子会長)は21日、町石山のしらおい食育防災センター(パクパクしらおい)で第1回女性セミナーを開いた。23人が参加し、町の民間有志でつくる「しらおい防災マスター会」(吉村智会長)の会員らを講師にカードゲーム形式の防災教材「クロスロード」を使った机上防災訓練を体験した。
「クロスロード」は阪神淡路大震災で災害対応に当たった神戸市職員へのインタビューを基に、防災関係の有識者らが開発した教材。刻々と状況が変わる災害時を想定し、とっさの選択を迫られる対応をゲーム形式で追体験した。
カードには「避難所担当の職員」「主婦」といった役割と差し迫った状況、選択肢の3点が書かれており、例えば「避難所担当の職員」のカードなら「避難から数時間経過し、300人が集まる避難所で、確保した食糧が200人分しかなく追加の見通しもないとき、まず200食を配るか」との設問に、それぞれイエスかノーかを判断する。
参加者からは「事情を説明して配るべき」「トラブルが起きてはいけないので全員分を確保してから配布すべき」などの意見が出された。
講師を務めた同マスター会事務局長の民部吉治さん(80)は「判断が正しいとか間違っているとかではなく、緊急時に判断を迫られる状況を想定して、平時からどうすべきかを考える知恵を養ってもらう趣旨。自分と異なる意見、価値観の存在に気付くことも大事」と語る。企画に関わった同セミナー委員会の鈴木みゆき委員長(75)は「防災は、みんなで助け合う近助の精神が重要。意見を交わすことで、どのようなサポートができるのか考えるきっかけにできたら」と話した。