むかわ町の穂別高校(岩瀬均校長)では、3人の部員で活動する弓道部の西村心優(みひろ)さん(17)=3年=が、11~13日に帯広市よつ葉アリーナ十勝で開かれた第70回北海道高校弓道選手権大会兼第69回全国高校弓道選手権大会北海道予選会に出場した。高体連の全道大会で、残念ながら予選で敗退したが、胆振地区の代表として堂々と戦った。今は弓道の級位の取得という新たな目標に向かい、腕を磨いている。
弓道部は3年生2人、2年生1人。校舎近くの屋外練習場に通い、自分と向き合いながら技術を高めている。
西村さんは同校入学後に弓道を始めた。理由は「なんとなく」と正直に話す。1年生の時の部員は5人。高体連の支部予選に出場したが、緊張から弓を構える前に立ち上がることができず、棄権する悔しさを味わった。その後、同部顧問の飛騨勇佑教諭(39)の指導で弓道の魅力を知り、雨天時も強風時も毎日練習場で弓を引いた。遠く離れた的に的中させるため、多い日で1日100本の矢を放ち、射法を磨いた。
成果は2年生で表れ、新人戦で全道大会に進出し、準決勝まで勝ち上がった。今年度は部員が少なくなったが、「負けることを考えず、1番になる」と心掛け、練習を重ねた。5月下旬に伊達市で開かれた高体連の胆振地区大会では個人の部で3位に入賞。全道大会の出場を決めた。当日は鍛錬の成果を発揮し、集中して矢を放った。
今は9月に室蘭市で予定されている弓道の審査会で級位の取得を目指している。生徒会会長として7月に開かれる学校祭の準備に取り組み、大学受験に向けて勉強もしているが、時間をつくって練習を続けている。
弓道の魅力を「落ち着いて弓を引けるところ」と語り、「今後も続けて初段を取りたい」と笑顔を見せる。後輩には「私を超えてほしい」とエールを送った。
飛騨教諭は「彼女は引きたい気持ちが強く、何本も打ち続けて強くなった」と評価した。3年生の引退で部員は1人になり、同校は27年3月で閉校となるが、「1人でも部員がいる限り、最後の大会まで活動させたい」と思いを語った。