今回は問診と血圧測定についてです。ほとんどの健康診断に問診があります。問診は診察・面談する医師のために現在の健康状態を確認する、大切な健診項目です。そのため、できるだけ正確な情報を医師に伝える必要があります。ハスカッププラザでは、ご記載いただいた受診票を基に看護師が内容を確認し、その情報が医師の診察時に伝わるようになっています。特に病歴を正確にご記載いただくことはとても重要で、病歴の内容によっては健康診断の結果に影響します。
例を挙げますと、降圧薬を内服している場合、現在かかっている病気に高血圧症が記載されていなければ、血圧の値によってはせっかく通院されていても要精密検査や要治療という結果になることもあります。
次は血圧測定についてです。高血圧症は生活習慣病の中で最も多い疾患です。高血圧症の90%は体質、塩分過剰、肥満などで生じることが多いとされています。血圧が高くても症状がないという方がほとんどだと思いますが、血圧が高い状態が続くと、脳・心臓・腎臓などの血管の動脈硬化が進行し、脳梗塞や脳内出血、心筋梗塞、慢性腎臓病などの病気が起こりやすくなります。
脳梗塞や脳出血になると、半身まひや言語障害、認知機能低下などの後遺症が残ることもあります。また、慢性腎臓病では、腎臓の機能低下により尿から老廃物を排出できなくなり、自覚症状が出る頃には病気が進行しており、最終的に透析が必要になることもあります。
これらの病気を予防するためにも、健康診断で要精密検査や要治療の結果が出た場合は、症状の有無にかかわらず病院へ行き、医師の指示のもと適切な治療を受けること、治療が必要ない場合は生活習慣を改善することがとても重要になります。
また、病院や健康診断で測る血圧と、家庭での血圧は少し違う場合があります。普段の血圧を正確に知るためには、家庭での血圧測定が大切です。病院を受診する場合は、記録したものを持参すると詳しい血圧の状況を医師へ伝えることができます。
家庭で測る血圧が落ち着いていても病院など他の場所で血圧が高くなる方は、白衣高血圧と言われることもあります。白衣高血圧であっても将来治療が必要な高血圧症になる可能性もあるため、減塩や野菜の摂取、継続的な運動などの生活習慣の改善を心掛けてください。
高血圧症を含む生活習慣病は、年齢にかかわらず生活習慣の結果起こることが分かってきました。健康診断を受けることによって自分の生活習慣を見直し、改善する機会にしていただけたらと思います。