白老町在住で北海道を代表する彫刻家国松明日香さん(77)の作品展「回顧と近作」が町大町3のアートギャラリー「brew gallery(ブリューギャラリー)」で開かれている。町内での個展は初めてで、1994年から2024年までに制作した彫刻や平面作品計27点を並べている。7月7日まで。
国松さんは1947年、小樽市生まれ。父は洋画家の国松登さん(故人)、長男は彫刻家の希根太さん。86年には町竹浦の旧飛生小学校に移住し、共同アトリエ「飛生アートコミュニティー」を設立した。2008年に北海道文化賞奨励賞、23年に北海道文化賞受賞。
札幌駅前通りや札幌ドーム、苫小牧市のネピアアイスアリーナ、白老町の仙台藩白老元陣屋資料館など公共施設に設置する作品を多数手掛けている。主に金属を素材とし、曲線美を生かした作風で、00年代以降はステンレス鋼の板材と鉄の線材で構成した作品を制作している。
開催初日の8日に関係者ら約50人が集まって開かれたオープニングパーティーでは「38年前に息子の希根太と白老に移住してきた。白老は自分の活動の原点という思いがある」と語り、「白老駅前に生まれたギャラリーでの個展開催は感慨深い」と目を細めた。国松さんと30年来の付き合いがある町内の会社役員高畠章さん(71)は「町職員時代に大型作品の設置に関わったことを思い出す」と作品に見入っていた。
午前11時~午後5時、毎週月~水曜休み。入場無料。