日本郵便は13日、郵便料金を10月1日に値上げすると発表した。封書(定形、25グラム以下)を84円から110円、はがきを63円から85円とそれぞれ3割程度引き上げる。料金見直しで収益改善を目指す。消費税増税以外による封書値上げは1994年以来30年ぶり。はがきは2017年以来7年ぶりとなる。
総務省が同日、郵便料金引き上げのための改正省令を施行し、日本郵便が同省へ届け出た。
定形外はおおむね3割値上げする。定形外でも規格内で50グラム以下についてはニーズの高さなどを考慮し、140円(現行120円)と上げ幅を約16%に抑制。「レターパックライト」の上げ幅も同程度に抑え、430円(同370円)とする。速達は15%前後引き上げる。昨年値上げした書留料金などは据え置く。
新料金に対応した切手やはがきは9月2日に発売する。110円の切手には千鳥のイラストを、85円の通常はがきには折り紙の小鳥などを描いた。84円切手などは9月末で販売を終了する。
日本郵便の郵便事業は、郵便物の減少を背景に収支の悪化が続いており、22年度の営業損益は211億円の赤字だった。賃上げや燃料費といったコストの増加も収益を圧迫している。値上げにより25年度に黒字転換を見込んでいる。