文部科学省は12日、小中学校などの学校給食に関する全国調査の結果を公表した。2023年度時点で調べたところ、予定を含め同年度中に全国775自治体(全体の43%)が何らかの形で給食費を無償化。経済的負担の軽減を目的とするケースが目立った。公立学校の給食費の全国平均を国立や私立にも当てはめた場合、費用は全体で年間約5100億円になるとの試算も示した。こうした結果を基に、全国ベースの無償化の仕組みを検討する。
調査は、政府の少子化対策「こども未来戦略」に基づき、無償化する上で児童生徒間の公平性の課題などを洗い出すため実施。自治体による無償化の対象や要件を含めて調べた。
調査結果によると、23年9月時点で無償化を実施していると回答したのは722自治体。うち547自治体は小中学生全員を対象にし、17年度調査の76自治体から大幅に増えた。145自治体は多子世帯に限定するなど一定の要件を課していた。複数回答で目的を尋ねたところ、「経済的負担の軽減」が最多の652自治体で、「少子化対策」は66自治体。財源は自己財源が最も多く、国の地方創生臨時交付金などが続いた。
23年5月時点の給食実施率(学校数ベース)は、小学校全体で98・8%、中学校は89・8%。公立が小学校99・5%、中学校97・1%だったのに対し、私立は小学校43・4%、中学校8・2%だった。給食がない学校の児童生徒や、アレルギーなどを理由に食べていない人は約万人に上る。
公立の給食費の月平均は、小学校が4688円、中学校が5367円。都道府県別に見ると、小学校は福島の5314円が最も高く、滋賀の3933円が最も低かった。中学校は富山の6282円が最高で、滋賀の4493円が最低。小中ともに最大約1・4倍の開きがある。