11月に町制施行70周年を迎える白老町は6日、節目を記念し、まちの魅力向上やPRに結び付く「しらおい魅力向上プロジェクト」の事業として、「カシスの記念植樹」と「白老ご当地かるたの制作」を実施することを決めた。事業案を5月に公募し、寄せられた6案について庁内の事業選定委員会(委員長・鈴木徳子総務課長)で精査した。今後、提案者に助成額などを連絡し、具現化に向けて準備を進める。
町は町民とともにまちの節目を祝おうと、アイデアの提供という形で町民に参加してもらい、官民一体で進めていく同プロジェクトを記念事業の一つにした。公募は5月13~31日、町民、町内事業所、団体、法人などを対象に実施。防災意識を高める催事の実施、町内の複数の文化団体が合同で開く体験教室、親子が交流できる文化イベントの開催などが寄せられた。
具現化する「カシスの記念植樹」は社会福祉法人による案で、白老の気候になじみ、鹿の食害にも強いカシスを、町民が親しみやすい場所を選んで植栽する内容。場所の選定や本数は法人側と調整する。
「白老ご当地かるたの制作」はボランティア団体による案。2017年度に行われた町内散策イベントの参加者が原案を練り、町高齢者大学の文芸倶楽部会員が協力して作った46首を読み札で扱う。「あ=赤松が見守り続ける仙台陣屋」「す=スケソウのタラコ名高き虎杖浜」「は=萩の里 炭焼き跡の草深し」など各地域の魅力や特産、由来などを紹介するもので、町民がふるさとの魅力を学び、郷土愛を育むものを作りたいと発案された。
応募された案を精査した事業選定委員会は、庁内の課長職に外部委員2人を加えた6人の組織。助成額(1事業につき50万円が上限)で実現は可能か、70周年を刻み後世に残る内容か―などの視点から慎重に検討して採択した。
鈴木委員長は「町民が事業に関心を寄せ、6件も提案していただけた」と感謝し、採択した2件については「まちに残り、町民の心にも残る、より良い70周年記念事業になるよう、確実に実施していきたい」と話した。