守り抜かれた命 不安多い繁殖時期

  • いぶり・ひだかで鳥発見, 特集
  • 2024年6月7日
守り抜かれた命 不安多い繁殖時期

 モノトーンだった森が薄緑色へと変わり、どんどんと緑色が濃さを増していく。そんな変化に心躍らせています。季節の移ろいを感じるこの時期、野生動物にとっては不安が多い時期とも言えます。それは、命を繋ぐために重要な期間(繁殖時期)だから。

 人間の子育ても多くの苦労がありますが、野生動物が自然界で命を紡ぐことも大変過酷なのです。風雨で巣が壊されたり、外敵にひなを捕食されたりすることも。そんな困難を少しでも避けようと、樹上には葉が生い茂りはじめ、足元は草花が背丈を伸ばす時期に、そういったものを目隠し代わりにして命を紡いでいく傾向があります。

 森にある小さな池での話。この池で観察機会が減っていた雌雄のマガモがそろってプカプカと。どこかで繁殖していたのでしょうが、繁殖の妨げになることを嫌い、しばらく放置。というのも、人間の姿を見て「そこになにかあるんだな」と学習し、抱卵している卵を襲ったりする学習能力の高い野生生物もいるからなのです。

 そんなこともあり久しぶりの発見。のんびりとしていたので「ひなが大きくなったのだろう」と考え池周りを散策すると、グワァグワァと小さな声が聞こえてきました。見通しが良いところにいてくれたので、近づき過ぎることなく観察成功。まだまだ油断できませんが「良く育てたね」と心の底から思ったのでした。

 私もこの姿を見ると「カワイイ」という感情に。しかしこのコラムを読まれている方には、もう一つ見る視点を増やしてほしいのです。それは「カワイイで終わるのではなく、必死に守り抜かれた命である」ということ。

 この姿を見て終わりではなく、今後も出合えるためにも、こういった命を少しでも安全安心に育んでいける環境を残し、守っていきたいものですね。子育て時期はどんな生き物もナーバスになって当然です。ただめでるのではなく心配事を減らしてあげられるか。心に余白を持って行動していきたいと自戒の意を込めて。

 (日本野鳥の会苫小牧支部・小林誠副支部長)

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