白老文化観光推進実行委員会(熊谷威二会長、会員37人)は4日、しらおい経済センターで通常総会を開いた。会員29人が出席し、2024年度の活動方針や事業計画を承認した。
熊谷会長は「地元ゆかりのアーティストに光を当て、点在する白老の歴史、文化、魅力を線で結ぶ芸術祭を町民の協力を得て進めたい」とあいさつ。名誉会長の大塩英男町長は「町の文化を将来に受け継ぐことは、われわれの重要な使命」と述べた。
同実行委は芸術祭「ルーツ&アーツしらおい2024」の開幕を9月20日に予定し、同芸術祭は4月に文化庁の事業「日本博2・0」を契機とする「最高峰の文化資源の磨き上げによる満足度向上事業(委託型)」に採択されている。採択額は5737万4000円。
事業計画の審議では▽地域社会貢献を目指した持続可能な文化観光の運営▽海外向け文化観光商品の造成と磨き上げ▽地域の魅力総動員と受け入れ体制整備▽日本一の手仕事のまちプロジェクト▽アート&カルチャーツーリズム磨き上げによる地域周遊向上―の五つを決めた。
具体的には、ハワイ、イタリア、台湾の文化教育機関と連携した多文化共生プログラムの造成、白老観光協会と連携した白老駅北インフォメーションセンター(ポロトミンタラ)でのアイヌ文化伝承者による文化体験の受け入れなど。アイヌ刺しゅう文化の継承を目的とした巨大パッチワークによる企画も盛り込んだ。
「ルーツ&アーツしらおい2024」の関連事業としては、台湾と白老の工芸伝承者がアイヌ刺しゅうで交流する多文化共生ワークショップを今月中にも実施する。