安平町追分地区の特産品「追分カンロ」の初競りが28日、札幌市中央卸売市場で行われ、Lサイズ1箱(8キロ入り)で最高値1万円の値を付けた。前年の最高値と同額になった。27日に追分町花園の野菜集出荷場で初出荷され、関係者は「さっぱりとした甘みと風味を楽しんで」とPRしている。
カンロは道内数カ所でしか生産されておらず、安平町追分地区やむかわ町穂別地区は主要産地。道の駅あびらD51(デゴイチ)ステーションでカンロの果汁を使用したソフトクリームが販売されることもあり、人気商品となっている。
27日に初出荷されたのは、品種が「小林香瓜(かおりうり)」の8箱で、前年の初出荷と同じ数量。生産者の鎌野太地さん(39)=空知管内由仁町=は「4月中旬の受粉時期に雨が降ったため、やや小ぶりとなったが、昨年と同じくらいの出来。子どもからお年寄りまで多くの方に食べてもらいたい」と話す。
今年はとまこまい広域農業協同組合(JAとまこまい広域)の追分カンロ組合(友広博組合長)の生産者5戸が3・3ヘクタールの畑でカンロを生産し、9月上旬まで出荷する。2023年の出荷数は8554箱で、売り上げは2741万円。24年は出荷数8250箱、2706万円の売り上げを目標にしている。
初出荷に当たり、及川秀一郎町長は「食と観光のまちづくりは、農業者の協力がないと成し遂げることができない」とあいさつ。JAとまこまい広域の堀弘幸専務は「カンロが多くの人に認知されることを期待している」と述べた。