白老町の仙台藩白老元陣屋資料館(武永真館長)は25日、国指定史跡「白老仙台藩陣屋跡」の発掘調査見学会を開いた。苫小牧市民や町民ガイドら計6人が今年度に調査予定の外曲輪(くるわ)土塁や虎口土塁などを見学、学芸員の案内で陣屋跡を散策した。
見学会は史跡の全容や調査の意義を町民に知ってもらおう―と毎年この時期に実施。昨年の調査では史跡東側の地層から140センチほどの高さになる土塁跡と杭口とみられる痕跡が見つかっている。今年は町道桜ケ丘通り沿いに面した虎口土塁近くの窪地を発掘し、地層から掘割が実在したかどうかなどを調べている。
案内を務めた学芸員の平野敦史さん(42)は「調査の成果を町民の皆さんと共有し、もし今と違う姿があったなら、それを明らかにしたい」と語った。
町教育委員会と同館は、2021年から10年間を期間とする史跡保存活用計画の一環で発掘調査を実施している。同計画は、幕末の北辺防衛拠点として道内最大級を誇る史跡の文化財価値を高めるため、保存管理や利活用、整備、運営体制などの方向性に加え、造営時の土塁や堀割の復元などの整備方針も示している。