ここ数年、若い世代の楽曲を中心に人生における深いメッセージ性のある歌詞が共感を集めているように感じます。
この十数年には大きな地震や津波などの災害、コロナ禍や戦争があり、大人になった自分を想像しても明るい気持ちや希望の持てない社会で青春時代を送る、若者たちの心境と重なるからかもしれません。
いぶり勧学館に遊びに来た中学生が、アニメ映画「天気の子」の主題歌がとても良いと言うので、その歌詞の一部をご紹介します。
「何もない僕たちに なぜ夢を見させたか 終わりある人生に なぜ希望を持たせたか なぜこの手をすり抜ける ものばかり与えたか それでもなおしがみつく 僕らは醜いかい それとも、きれいかい 答えてよ 愛の歌も歌われ尽くした 数多の映画で語られ尽くした そんな荒野に 生まれ落ちた僕、君 それでも 愛にできることはまだあるよ 僕にできることはまだあるよ」
以前、別の中学生からは「師匠(私)はいいよね。まだ(年代的に)結婚できるんだから幸せじゃないですか。きっと俺たち世代は(働くだけで精いっぱいで)結婚なんてできないんだから」と言われたことがあり、印象に残っています。
今、子どもたちに「将来は良いことがあるよ」と確信を持って言うことはできませんが、子ども時代の良い友との思い出が生涯にわたって大きな勇気を与えてくれるように、ここで彼らが友と過ごした時間が、この先ずっと心の明かりになってくれていたら、すごくうれしいですね。
(いぶり勧学館館長・苫小牧)