歴史って面白い

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  • 2024年5月24日
歴史って面白い

  若い頃はそれほど関心がなかった「歴史」というものに、少しだけ興味を持つようになった。ロシアがなぜウクライナに侵攻したのか、イスラエルとパレスチナ、武装組織ハマスとの関係をひもといていくと、幾星霜を重ねた事柄や争いに深く関わる人間の黒い部分が見えてくる。それは外国だけにとどまらない。

   吉高由里子さん主演のNHK大河ドラマ「光る君へ」は、1月7日の放送開始から5月19日放送までに20回を数えた。脚本は、「セカンドバージン」など人気ドラマを次々に手掛けた大石静さん。1000年以上も前の平安時代中期に、紫式部が書いた「源氏物語」の歴史考証を交えながら恋愛や嫉妬、憎悪、悲しみ、喜びなど独自の視点で現代にも通じる人間の不変の真理を膨らませて描く。26日以降の放送を楽しみにしている。

   世界最古の長編小説とされる源氏物語は、現代語訳で読むことができる。お薦め作者は横浜市の主婦小川和子さん(81)。本紙10日付のシニア面で紹介させていただいたが、人生後半に20年かけて全五十四帖(じょう)を挿絵風のイラストも交えて専用サイトで発信している。「人生って面白い!」と述べる小川さんの意欲には、ただ馬齢を重ねて生きてきた自分に気付きを与えてくれる。(教)

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