地方で深刻化する移動手段不足への対策を検討する関係省庁会議は17日、議論の取りまとめ案を示した。地域住民がスクールバスを利用することや、介護施設の送迎を集約するなどの具体策を盛り込んだ。政府は今後、案に基づいた指針や先進事例集を作り、自治体の取り組みを支援する。
現在もスクールバスに住民を乗せることはできるが、自治体に周知されていない。関係省庁は今夏ごろに策定する指針で、必要な手続きや活用できる国の補助制度を明示する。既に、児童生徒と住民の座る位置を分けるなど安全対策を講じた上で実施している自治体もあり、こうした先進事例もまとめて近く公表する。
複数の介護施設が利用者の送迎を共同で行って効率化する手法も促す。自治体やNPO法人による有料の送迎を認める「自家用有償旅客運送」については、農業協同組合や観光地域づくり法人も含め参加を広げる。
地域交通を巡っては、路線バスや鉄道の廃止、ドライバーの減少により、移動手段の確保が課題となっている。政府は昨年9月から会議で対策を議論してきた。