胆振東部の安平、厚真、むかわの3町で5月に入り、ヒグマの目撃情報が相次いで町に寄せられている。2日は安平町追分地区の市街地に出没し、周辺は一時騒然となった。最新のヒグマ出没情報は、場所を地図上に示すインターネットサイト「ひぐまっぷ」で確認でき、3町は注意を呼び掛けている。
安平町では2日午前11時50分ごろ、町追分白樺の鹿公園でヒグマが目撃され、付近の高齢者施設や追分本町の市街地周辺を歩き、地域住民から町に連絡が相次いだ。町は午後1時に対策本部を設置し、北海道猟友会苫小牧支部所属のハンター3人が巡回したほか、ホームページや防災行政無線などで町民に注意を喚起した。ヒグマは午後3時45分ごろ、美園地区で駆除された。体長は1・2メートル、推定2歳の雄だったという。
町は9日に開かれた町議会臨時会で行政報告し、及川秀一郎町長が「5月に入り、全道各地でクマの目撃が報道されている。町として町広報紙やホームページなどで注意喚起に努めていく」と述べた。その後も町には、14日午前8時30分ごろに追分青葉で足跡を確認した、15日午前8時25分ごろに追分春日で出没したと情報が寄せられている。
厚真町では、幌内地区で5日に1頭、6日に親子とみられるヒグマが目撃された。むかわ町では、二宮地区で5日午前10時ごろにヒグマのふん、10日午後2時30分ごろにヒグマが目撃された。同日、穂別和泉でヒグマ1頭を捕獲。16日午前10時30分ごろ、隆農地区で足跡が確認された。
ヒグマの目撃情報は例年、山林地域で5月ごろから寄せられる。冬眠後は姿が見られなくなるが、最近は暖冬傾向で、12月に目撃されたこともある。3町はヒグマに遭わないために▽出没情報に注意▽山に入る場合、複数で行動する▽早朝や夕方の入山は控える▽鈴やラジオなどを携帯する―などの対策をホームページに記載している。
また、最新の目撃情報は「ひぐまっぷ」で確認でき、3町のホームページから閲覧できる。