安平町教育委員会は、学校教育系施設の長寿命化を図り、整備コストの抑制、効率的な維持保全を実現させるため「町学校施設等長寿命化計画」を策定した。構想期間は2024~63年度の40年間、計画期間は24~33年度の10年間。適正な施設管理で使用年数を長期化させることで、対象6施設の維持管理コストを従来型の試算より約38億円削減できるとした。
対象施設は、追分小学校と追分中学校、早来学園、はやきた子ども園、おいわけ子ども園、町学校給食センター。
63年度までの維持管理コストは、施設の使用年数を50年程度とする従来型では計152億円で、施設の長寿命化を進める同計画では計114億円になるとした。
長寿命化計画では、使用年数を80年程度とし、竣工(しゅんこう)から20年程度で外部改修や設備の更新改修などの「予防改修事業」を、40年程度で建物の全体的な改修をする「長寿命化事業」を実施する。従来の改築中心から転換し、建物を計画的に適正状態に保つことで、維持管理などのトータルコストを削減する。
6施設の屋上、屋根、外壁の劣化については、5施設でおおむね良好と評価されたが、築30年以上経過した追分小学校の校舎と体育館は、内部仕上げ、電気設備、機械設備に広範囲の劣化が見られた。特に校舎の機械設備は早急に対応する必要があることが確認された。
追分地区については児童生徒数が減少し、部活動が縮小するなどの影響が生じている。計画では校舎が老朽化している追分小を追分中と統合し、一体校として改築を検討することを明記。子どもらが集団の中で多様な考えに触れながら資質や能力を伸ばせるよう、小中学校で一定の集団規模を確保することが望ましいとした。
学校施設には、教育の場以外に災害時の避難所や地域コミュニティーとしての役割なども求められる。町教委は「さまざまな事情を考慮し、統廃合については地域住民の十分な理解と協力を得る必要がある」とし、「関係部署と連携し、長寿命化を確実に実現させたい」と説明している。