世代交代 鈴木(すずき) 龍也(たつや)

  • ゆのみ, 特集
  • 2024年5月14日
世代交代
鈴木(すずき) 龍也(たつや)

  先日、初めて苫小牧市文化団体協議会(文団協)の総会に出席した。市民参加演劇祭は、文団協が組織する市民文化祭実行委員会によって開かれている「苫小牧市民文化祭」の一環である。どのような会の元に市民参加演劇はあるのかを知り、予算や2026年に予定される市民ホールの開館を見据えた準備をしているのかを聞きたかったのだ。

   しかし、文団協の理事でも何でもない自分は、市民参加演劇祭実行委員会の須藤夏菜子代表の後に、関係者の一人としてくっ付いて来た者にすぎない。「慣例で粛々といろいろ進みますから」と聞かされていたが、まさにその通りで、議案書の中身は承認の拍手で次々と決まっていった。そこで居ても立ってもいられず、質問を投げ掛けたのだが、一瞬にして会場の空気が変わったのが分かった。

   休憩中、会長がわざわざ席まで足を運んでくれた。自分の質問を皮切りに、他の出席者からも質問が出始めたからだろう。会議場を見渡すと、理事会とはいえ高齢化が進み、会議全体の停滞感は否めなかった。市民参加演劇祭実行委は、たまたま前任の鳥嶋清嗣郎さんが昨年他界し、須藤代表となったことで強制的に若返ったが、他の文化ジャンルの実行委はそうではないからだ。

   演劇祭実行委の若返りはとても大変であったが、先々を考えると良かったのかもしれない。どんな場面でも新陳代謝は必要になるからだ。市民参加演劇が役者などの募集を通じて次の世代と出会う場でもある以上、きっと舞台づくりにおいてやり合う場面も出てくるだろう。その時まで代表の助けになるべく、演出家として精進しようと思っている。

   今回で私のゆのみは最後となった。1年間、毒にも薬にもならない文章を読んでいただき、ありがとうございました。11月の舞台で見掛けたらぜひ、「ゆのみ、見たよ」と声を掛けてください。頑張ったかいがあります。

  (舞台演出美術家・苫小牧)

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