夕焼け

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2024年5月13日
夕焼け

 遠い昔。愛称で「ガタ校」と呼ばれる苫小牧の高校に通っていた。歴史的建造物のような校舎の片隅で、17歳になったばかりの少年たちは、ある歌の詞に出てくる人物を語り合っていた。「あのじいさん」とは誰か。幾つか候補が挙がったが、どれも違うような気がした。

 放浪の作詞家・岡本おさみさん(故人)が苫小牧を舞台に書き、吉田拓郎さんが作曲し歌った「落陽」。今でも若いアーティストたちがカバーする名曲だ。一昨年出版された「旅に唄あり 復刻新版」(山陰中央新報社)で岡本さんが「あのじいさん」との思い出をつづっている。

 老人は苫小牧駅前の本屋で立ち読みをしていた。政治評論の厄介な雑誌だった。その人と少しずつ話すようになり、一夜を一緒に過ごした。「あんたは文章を書いていらっしゃいますが、私も昔はそういうことを志しておりました。評論ですよ」。別れ際に「帰りの船から海に捨てなさい」と少年のような顔をして古いサイコロを2個くれた。仙台行きフェリーの落陽が美しく、岡本さんは「しぼったばかりの夕陽の赤が…」と表現した。

 苫小牧の夕焼けはきれいだと思っている。特に晩秋が好きだ。故郷に帰るたびにそう思う。岡本さんが亡くなって、9年の歳月が流れようとしている。(広)

こんな記事も読まれています

    •          苫小牧民報創刊75周年記念講演             豊丘村制施行70周年記念講演 入場無料 三國清三シェフ 「70歳からの挑戦」   講師 三國 清三 氏 日時 6月7日(土) 令和7年 開演15時

    • 2025年7月22日
  • テストフリー広告

       苫小牧民報社創刊75周年記念講演会 入場無料  【講師】アルピニスト 野口 健氏  【演題】富士山から日本を変える  ~山から学んだ環境問題~  日時・会場・申込・問合せブロック  2025年(令和7年)8月9日(土)

    • 2025年7月18日PR
    テストフリー広告
  • テストフリー広告

       <!DOCTYPE html>  <html lang=”ja”>  <head>  <meta charset=”UTF-8″

    • 2025年7月18日PR
  • TEST
    • 2025年7月15日
  • TEST
    • 2025年6月26日
ニュースカレンダー

紙面ビューアー