むかわ町の鵡川高校の生徒有志が、町観光協会の地域活性化事業に課外活動で参加している。生徒が民間事業者の取り組みに正式なメンバーとして加わる初めての試み。同協会が行う商品開発や町外へのイベント出店を通じて働くことの意義を学ぶとともに、同協会が抱える課題に対して一緒に解決策を見いだし、まちおこしにつなげていく考えだ。
同事業に参加するのは、1年生で町内から通う冨野杏菜さん(16)、梅澤祐莉さん(16)、古根川里緒さん(16)。地域の課題解決策を模索する同協会が生徒の参加を学校側に提案し、3人が名乗りを上げた。
2月に活動をスタートさせ、下旬には町内の会議に参加。地域活性化起業人やオンラインで結んだ札幌市内の事業者らと意見交換した。梅澤さんは「むかわにいても知らないことが多い。考え込んでしまう課題もあったが、楽しかった」と言い、冨野さんは「自分たちで考える機会を頂いた。一生懸命頑張っていきたい」と笑顔を見せた。
現在は、今夏の販売開始を目指す地元ゆかりの特産品、グルメ、人物などをキーホルダーにしたむかわ版「街ガチャ」や、町産野菜を使ったレトルトカレーの製造などを共同で進めている。
同協会の荒舘康治事務局長は「生徒自身が言葉を発することで自信にもなるし、(就職や進学の)面接時にもしっかり思いを話すことにつながる。いろんなことを言ってもらい、僕らの常識を破っていくことが観光地として面白いと思う」と期待する。今後は町外事業者への視察や、物産展などのイベント出店時に同行を予定。今春、入学する1年生に希望者がいれば受け入れ、学校と同協会が一体となって町の活性化を展開していく。
同校の木村亮仁教諭は「商品開発が入り口になり、その過程でキャリアマネジメントや自分たちの探究にもなる」と目を細め、これまでの活動で「生徒は間違いなく変わり始めている。生徒が自走を始めれば同協会の力になり、地域や高校の魅力化にもなるのでは」とさらなる期待を寄せる。