むかわ町議会定例会が11日に開会し、竹中喜之町長が2024年度町政執行方針を表明した。少子高齢化、まちなか再生、異常気象で影響を受ける産業、厳しい財政運営など山積する課題に対し、「これまで目を背けず、町民の皆さんの声に耳を傾けながら取り組んできた」と振り返り、「今を乗り越え、未来につながるむかわ町の実現に全力で取り組む」と決意を示した。
主要施策は「くらす」「ふせぐ・まもる」「はたらく」「まなぶ」「つなぐ」の5本柱とした。
子育て支援では、妊婦や乳幼児への健康検査、新生児聴覚検査、育児相談体制を充実するほか、「産婦健康診査の費用助成、支援の必要な産婦への産後ケア事業を新たに実施する」と方針を示した。
防災面では、被災時の被害を最小限にする対策を講じる「事前防災」と被災後に目指す復興のまちづくりを想定した「事前復興」を2本柱とし、「地上デジタル放送や防災行政無線の設備更新などを進め、安全安心な情報基盤を整備していく」と説明した。
基幹産業の一次産業では、新規就農支援や鳥獣被害対応を進める。昨年、29年ぶりに休漁したシシャモ漁について「(資源回復に向けて)昨年設立した鵡川ししゃも資源再生調査研究会を中心に海洋環境のデータを収集するほか、鵡川ししゃもの再生を目指す運動を町ぐるみで展開する」と強調した。
教育の充実には、各小学校でパソコンの整備やICT(情報通信技術)機器の積極的活用を進める。さらに昨年の暑さを踏まえ、町内小中学校にエアコンを設置するほか「夏休み期間を弾力的に運用することで、児童生徒の健康面に配慮した教育環境づくりを推進する」とした。
町が抱える課題が複雑化する中、専門的知識を持つ民間事業者やNPO法人、教育機関などとの連携が必要という認識も示し、「地域力創造アドバイザーや地域活性化起業人などを積極的に受け入れ、地域おこし協力隊や協力隊インターンなどの制度の効果的な活用に努める」と説明した。
定例会の会期は15日まで。