苫小牧市中学生主張発表大会(2) 優秀賞 「ありがとうの言葉には」 緑陵中学校2年  髙石 美弥さん

  • 特集, 苫小牧市中学生主張発表大会
  • 2024年3月11日
苫小牧市中学生主張発表大会(2) 優秀賞 「ありがとうの言葉には」 緑陵中学校2年  髙石 美弥さん

  「ありがとう」

   そう言われるとみなさんは、どのような気持ちになりますか。おそらく嫌な気持ちになる人は少なく、良い気持ちになる人の方が多いと思います。

   私は、「ありがとうの力」を実感する出来事がありました。

   ある日のことです。私は、バスに乗っていました。バスの中は混んでいて、次に人が乗って来ても、座れないような状況でした。そのような状況の中、大きな荷物を持ったおばあさんがバスに乗ってきました。バスは満席です。私は初め、「他の誰かが席を譲るだろう」と思っていました。ですが、誰も席を譲ろうとしませんでした。そこでおばあさんに声をかけ、席を譲りました。すると、そのおばあさんはうれしそうに、笑顔で「ありがとう」と言ってくれました。その瞬間、私もうれしくなり、声をかけて良かったと思いました。バスの中での数十分間、おばあさんは目が合うと何度も「ありがとう」と言い、会釈をしてくれました。見ず知らずの私に対して、とても気持ちのこもった「ありがとう」の言葉。おばあさんのためにしたことなのに、私がしてもらったような気分になりました。私は、「ありがとう」の言葉には、人を笑顔にし、明るく、うれしい気持ちにさせる力があるのだと思うようになりました。

   私は、他にも「ありがとうの力」を実感する出来事がありました。その日は上手くいかないことが続き、気分が下がっていました。そんな中、渋々家の手伝いをしていました。お皿洗いが終わり、部屋に戻ろうとしたところ、父と母が明るく「ありがとう」と声をかけてくれました。その言葉をかけられて、今までの落ち込んでいた気持ちがなくなり、心が晴れたような気がしました。私は誰とも話したくなくて部屋に行くつもりでしたが、母とおしゃべりすることにしました。今日学校で起きた楽しかったこと、面白かったことなど、たくさんのことを話しました。「ありがとう」という何気ない一言が、私の気持ちを動かし、家族とのコミュニケーションを生んだのです。私はこのことがきっかけで、家族だけではなく友人とも「ありがとうからつながるコミュニケーション」を大切にして生活したいと思うようになりました。

   「ありがとう」という言葉は、人を笑顔にし、明るくうれしい気持ちにさせ、コミュニケーションにつながる力をもっています。「ありがとう」という言葉には、相手の心を動かし、生活を豊かにしてくれるという力があるのです。このような「ありがとうの力」が、世界中の人たちにつながっていけば、世界はより良くなっていくと思います。

   私は、強く願います。私たちの将来が、何十年何百年後の未来が、たくさんの「ありがとう」でつながる世界を。笑顔であふれ、誰もが認められるような優しい世界を。

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