3月11日午後2時46分―。東北地方太平洋沖地震の発生日時を覚えている。地震や津波を含む全体の災害名は東日本大震災。彼岸が近づき、13年前の3月も日増しに暖かくなっていたはず。しかし金曜日の午後に、大きな揺れが関東以北を襲った。どす黒い津波が東北の沿岸に襲い掛かる様子が、テレビ画面に繰り返し映された。原発の炉心溶融まで引き起こした空前の大地震を、生涯忘れてはならないものとして記憶することにした。
「理科年表2024」によれば、明治以降の日本の地震災害としては、1923年9月1日の関東大震災(死者・不明約10万5千人)、1896年6月15日の三陸沖地震(同2万2千人)に次ぐ大地震。東日本大震災の死者は、関連死含め1万9759人、行方不明2553人という数字が並び、多さに改めて驚く。
この13年、年表には長野や熊本、島根などで起きたたくさんの大地震の名が並んだ。復興への道筋が見え始めた6年前の胆振東部地震もその一つ。今年、元日に発生した能登半島地震が加わった。
週明けの月曜日は「3・11」。地震の時に何をしたか。何ができなかったかを考える日。苫小牧市で最大4万人もの死者が推計される日本海溝・千島海溝の巨大地震への備えが新しい課題だ。(水)