やはりふに落ちないし、納得もできない。多くの人がそう思っているのではないか。自民党派閥のパーティー裏金問題だ。衆院政治倫理審査会は開かれたものの、裏金の使途ははっきりしないし、解明されずに残った疑問点は多い。
40年以上も前に旅客機の受注をめぐる世界的な汚職を背景につくられた「政治倫理綱領」。疑惑を持たれた場合は、みずから真摯(しんし)な態度でもって疑惑を解明し、その責任を明らかにする、と明記されている。政倫審で国民が納得する内容が明らかになったのか。
国民の怒りはまだある。パーティーで得た収入の裏金になぜ税金はかからないのか。政党から個々の議員に支給される政策活動費なるものなら、領収書さえいらず、何に使っても誰からも、どこからもおとがめはない。この問題の解決には政治資金規正法の改正が必要だが、議員が議員を縛れる法律をつくれるのか。疑問は残るが、それが問われている。
表現はよくないが、泥棒が自分に都合のよい形で法の改正はしない。そう酷評した識者もいた。すべて国民感覚に近づけることがそれほど難しいことなのか。国会議員は国民の代表のはず。失った政治への信頼を戻すには何か。政治家には相当に難しい問題らしい。 (昭)