白老町の大塩英男町長は7日の町議会定例会3月会議の行政報告で、町内沿岸に繁茂するミツイシコンブの二酸化炭素(CO2)吸収量の販売について「Jブルークレジット」の認証を受けたことを明らかにした。
ブルークレジットは、海草などの海洋・沿岸生態系が吸収した二酸化炭素「ブルーカーボン」を数値化し、取引する仕組み。Jブルークレジットは国土交通省認可法人のジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE、横須賀市)が管理するCO2排出権取引。企業はCO2吸収量を購入することで、自社の排出量を相殺できる。
同町の東町から高砂町までの間は、海岸から210~360メートル先の海底に、北海道開発局が越波防止のために設置した総延長計1・77キロのコンクリート製の水産協調型人工リーフが6基あり、ミツイシコンブが定着している。
いぶり中央漁協、北海道栽培漁業振興公社、町環境町民会議、つなぎ役の町は「北海道白老町 いぶり海岸の人工リーフにおける藻場づくりと漁業振興」のプロジェクト名で、CO2吸収量の販売を共同申請。2月27日付で認証を受けた。4者は3月1日付で白老水産海洋協議会を組織し、吸収量を購入する企業や団体を4月17日まで公募している。
同海域の面積は4・66ヘクタールで、CO2吸収量は樹齢約40年のスギ2534本の年間吸収量に相当する年間22・3トンを見込む。2022年度の平均売却価格は1トン当たり7万8036円で、同額で売却された場合はJBEの手数料3割を差し引いても約121万円の収入が見込めるという。
大塩町長は「地域資源を活用したCO2排出抑制の代表的な取り組みとして発展することを期待する」と述べた。