白老町大町3で5月ごろに書店「またたび文庫」を開業する町地域おこし協力隊員の羽地夕夏さん(25)は、店内整備や仕入れ拡充のための寄付をクラウドファンディング(CF)で募っている。目標額は150万円(4月8日まで)で、7日午前11時時点の寄付金は42人から約44%となる65万6000円。
羽地さんは沖縄県出身。金沢大学を卒業後、都内の出版社に就職して過疎地での書店営業を望むようになった。2022年春に白老町に移住すると移動書店「またたび文庫」を始め、現在は大町にある築50年の建物を借り受け、開業に向けて準備を進めている。
CFは、まちの本屋の住民ニーズを知る機会になることと、多くの支援を得て運営していきたいという思いから、5日に開始した。寄付は3000円から10万円まで5段階7種類とし、返礼には同店で使える割引チケット、活動経緯をまとめた冊子の進呈、イベント開催権などを用意した。
集まった寄付金は、住民ニーズに応じた本や土地に根差した学びに生かせる専門書の仕入れの拡充、学生を中心に町民が気兼ねなく学習・読書できる約5平方メートルの一人部屋の整備などに充てるという。
1月に住民説明会を開き「新聞の書評欄で見た小説が読みたい」「普段の生活では見つけづらい面白い本と出合いたい」などの声を得た羽地さん。開店後は店頭販売以外に、宅配サービスや出張買い取りに応じる。町立図書館と協働し、町民が多様な本に出合う場も積極的に設けていく考えで、「まちに根差した場所を、時間をかけてつくっていきたい」と支援を呼び掛けている。
CFサイトを介さず、直接支援したい人は室蘭信用金庫白老支店 口座番号6288178またたび文庫まで。