安平町は4日、2024年度各会計予算案を発表した。一般会計は23年度当初予算比で14・4%増の95億2300万円。06年の合併後、22年度の98億460万円に次ぐ過去2番目の予算規模となった。主な事業では、早来町民センターの耐震改修工事と合宿機能を備えた大規模改修に12億800万円を計上。18年9月に発生した胆振東部地震の関連事業で、大型事業は一区切りとなる。
特別会計、公営企業会計を合わせた収入総額は23年度比12・3%増の130億2000万円、支出総額は同12・1%増の130億3600万円。
歳入では、全体の25・8%を占める地方交付税が国の地方財政計画に基づき、23年度比3・14%増の24億6100万円、町税を23年度比3・24%減の21億2800万円と見込んだ。歳出は、教育費で同センターの施設改修費が増えたため、同年度比84・71%増の21億2400万円となった。
主な事業では、同センターを改修する防災支援施設改修整備事業で、1階の大集会室を体育館に、3階を合宿場にリニューアルし、最大52人が利用できるようにする。災害時に避難場所となるほか、防災備蓄の保管場所、災害支援活動の拠点となる。
脱炭素化事業には1440万円を計上し、地球温暖化対策実行計画などを策定する。商業活性化では、経営強化促進補助金事業に200万円を盛り込み、同町商工会の加盟店を対象に、施設の増改築など経営基盤強化策に対して支援を行う。
町への移住ニーズの増加や次世代半導体製造ラピダス(東京)の千歳市進出を踏まえ、民間賃貸共同住宅建設等支援事業に2600万円を配分した。早来栄町で2棟12戸の建設を想定する。
及川秀一郎町長は「ゼロカーボン(脱炭素)やDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みを進めたい。震災とコロナ禍を乗り越え、未来へ飛躍するまちづくりを進めるため、今回の予算を組んだ」と説明した。