参院予算委員会は4日、岸田文雄首相と全閣僚が出席して2024年度予算案に関する基本的質疑を行い、実質審議に入った。首相は、4月の衆院3補欠選挙に合わせて衆院解散・総選挙に踏み切る考えがあるか問われ、「全く考えていない」と否定した。
立憲民主党の辻元清美代表代行は、衆院予算委で土曜日の2日に審議を行うなど、予算案の衆院通過を急いだ意図を質問。首相は、衆院解散との関連を否定した上で「予算を年度内に成立させることが何よりも重要だ」と強調した。
政治資金規正法改正を巡っては「一定の悪質な場面においては政治家自身が責任をしっかり取っていく。法改正を考えていくべきだ」と指摘。会計責任者だけでなく議員本人の責任も問う「連座制」導入に前向きな姿勢を示した。
首相は、自衛隊員の生活・勤務環境の改善を目指す考えを示した。「自衛隊の人的基盤の強化は喫緊の課題だ。政府としてしっかり取り組んでいく」と表明。24年度予算案に手当新設や老朽施設更新の費用を盛り込んでいると説明した。自民党の佐藤正久氏への答弁。
能登半島地震の対応に関し、首相は「今なお多くの方が避難しているが、再び住み慣れた土地に戻ってこられるように医療、介護、福祉といった生活基盤を整えることが重要だ」と指摘。「自治体と緊密に連携し、被災者の帰還と被災地の再生まで責任を持って取り組む」と強調した。自民の宮本周司、友納理緒両氏への答弁。
立憲の石橋通宏氏は、23年の年間出生数が過去最少となったことを受け、少子化対策の政府方針をただした。首相は「急速な人口減少や少子化に歯止めをかけないと、わが国の経済社会システムを維持することが難しい」と述べ、対策を急ぐ考えを示した。