北海道開発局、道、厚真町は2日、2018年9月の胆振東部地震で被災した厚真川水系で国や道が進めていた災害復旧工事の完成式を厚真町総合福祉センターで行った。国会議員や地元の代表者など約130人が出席し、5年半にわたって展開された砂防に関する4事業(事業費約241億円)を終えたことによる地域の復興を祈念した。
厚真川水系は、日高幌内川、チケッペ川、チカエップ川、東和川など。胆振東部地震後、揺れや山腹崩壊による土砂崩れで流れがせき止められるなどの被害があった。
国は直轄砂防災害関連緊急事業(18年9月~19年3月、事業費約41億円)と直轄特定緊急砂防事業(19年4月~24年3月、同約121億円)を実施。厚真川に通じる4河川で砂防堤防などを整備した。道は災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業(18年12月~20年8月、同約26億円)と災害関連緊急砂防事業(19年3月~21年3月、同約53億円)として、同町吉野地区でのり面へののり枠の設置、富里地区で土塊の除去、10渓流で砂防堤防の設置などの対策を施した。
完成式では、室蘭開発建設部と胆振総合振興局の担当者が工事概要を説明し、厚真川流域で直轄砂防事業が完了したことにちなみ、道開発局の柿崎恒美局長が引き渡し目録を鈴木直道道知事に手渡した。
終了後、平取町の自然石を使用した施工記念碑(幅1・5メートル、高さ1・1メートル、奥行き1・2メートル)の除幕式が厚真町役場前で行われ、代表者18人がロープを引き、記念碑がお披露目された。室蘭開建によると、記念碑は今月中に日高幌内川で行った渓流保全工事の現場付近に設置される。
厚真川水系砂防事業が終わり、厚真町の宮坂尚市朗町長は「行政機関が施工業者と協力し、事故無く施工を終えた。下流域の安全安心が確保され、全町民に安心感を与えることになる」と感謝した。