卒業式の匂い

  • 土曜の窓, 特集
  • 2024年3月2日
卒業式の匂い

 3月になると、雪解け水と土が混ざり合って、どこからともなく土の匂いが漂ってくるようになりますが、その匂いを私は自分の中で勝手に「卒業式の匂い」と名付けています。通い慣れた学びやを後にする寂しい気持ちと、雪解けの水たまりが広がる道を進む中、ふと漂ってきた土の匂いが、私の頭の中で強く結び付いているのかなと思います。そのため、あの匂いを感じた時は、今でも高校の卒業式の光景を思い出すものです。

 年々、気温が高くなる時期が早くなっていることから、卒業式の季節よりも早く、あの匂いを感じることが増えた実感があります。今年は2月に記録的な高温がありましたし、苫小牧では2016年に観測史上初めて3月に15度以上の気温が観測され、21年は3月15日に15・5度、23年は3月20日に15・2度と、近年はたびたび3月に15度以上の気温が観測されています。

 高校生の時は化学が一番得意だったのですが、自分が将来、試験管を振って仕事している姿が想像できなかったのと、電気電子の方が就職先で選ぶ所が多い「らしい」というどこからともなく聞こえてくる学生の間のうわさ、同じ大学の同じ学部に、いとこが通っていた―などの理由から、北見工業大学の電気電子工学科に進学することになります。

 とはいえ、自分が電気系の会社で仕事していることも想像できず、必修科目にプログラミングの講義が数単位あったのと、卒業論文でもプログラムを使った研究を行ったこともあり、卒業後は関東のソフトウエア開発の会社に就職しました。こんなことを言うと多方面から怒られそうな気がしますが、そこに決めた理由も、一足早く内定をもらえた企業だったのと、早いところ就職活動を終えたかった、くらいの気持ちでした。

 そんな気持ちで入社したもので、漠然と将来は北海道に戻りたいと思っていたのもあり、入社2年目くらいには「どうやったら北海道で仕事できるだろう?」と考えていたと思います。また、ソフトウエア業界は本当に技術の変化が劇的に激しく、「自分はこの業界、向いていないな」とも感じていました。

 それでも「入社してから3年は続けろ」という呪文もよく聞いていたので、3年は続けようと思って、なんだかんだで7年半はその会社で勤めましたが、30代の手前で気象の業界に転職することになります。

 (続く)

 (気象予報士)

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