厚真町は1日、2024年度各会計予算案を発表した。一般会計は23年度当初予算比で14・4%増の110億5000万円。2018年9月の胆振東部地震後、一般会計の当初予算が100億円台となるのは、19年度、20年度に続いて3度目。町が復旧から復興に向かう中、道路の改良や子育て支援住宅の建設、防災備蓄倉庫の整備など幅広い分野に予算を配分した。
特別会計と公営企業会計を合わせた予算総額は、23年度比14・9%増の138億600万円となった。
歳入は、27・8%を占める地方交付税が特別交付税の増加などで23年度比6・9%増の30億7000万円と試算し、町税は固定資産税の増加で同比4・4%増の15億6000万円を見込んだ。
歳出は、土木費で町道の改良工事や橋梁(きょうりょう)の長寿命化などを背景に同比20・6%増の25億2000万円、教育費は小学校のバリアフリー化に伴い、同比81・4%増の10億2100万円とした。
主な事業では、上厚真地区でネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH=ゼッチ)」仕様の住宅を5戸整備する子育て支援住宅建設事業に2億6000万円、学校施設のバリアフリー化や避難所機能向上を進める学校施設環境改善事業に4億4500万円を計上した。
災害関連では、胆振東部地震追悼式開催事業が23年度比61・5%減の126万円とした。宮坂尚市朗町長は「23年度は(同地震から5年の)節目の年で、慰霊式は2部構成だった。24年度以降、当面、通常の慰霊式のみを想定している。節目の年にはしっかりと対応したい」と話した。
24年度予算案について、宮坂町長は「災害復旧は順調に進み、生産基盤や社会インフラが元に戻りつつある。復旧から復興に向けて着実に歩みを進めたい」と述べた。
また、新しい役場庁舎と周辺施設の整備について、町は基本設計を今月中にまとめるが、事業費を24年度の当初予算には盛り込まず、24年度の補正予算で計上する方針を示した。