苫小牧市内で活動する女子アイスホッケーチームSWEEP(村田浩司代表)は、女子プレーヤーが生涯スポーツとして競技を楽しめるチームづくりを目指している。村田代表は「トップリーグでのプレーを退いた選手たちの受け皿になれば」と期待し、経験や技術差に関係なく楽しめるホッケーチームが増えることを望んでいる。
チームは2003年に札幌で創設された。現在は20~40代の14人が所属し、トップリーグを引退した選手や、競技の初心者までさまざまな経歴のメンバーが名を連ねる。以前は道内で開かれるBクラスの大会に出場するなどしていたが、近年はそうした大会も減り、月に2回ほど苫小牧市内で練習試合を行っている。
村田代表は「女子選手は、小学校を卒業した時点で道路建設ペリグリンやトヨタシグナスなど、女子リーグのトップレベルのチームに所属しないと競技を継続することが難しいため、選択肢が少ない」と話す。市内ではボディーチェックを禁止し、女性も参加できる「ビアリーグ」が開催されているが、やはり女性同士で試合をしたい―という思いが強い選手も多い。
チームはアイスホッケー連盟に所属するが、全道的に女子チームが減少する中、市内に同レベルの女子チームがないため、試合を組むにも帯広や釧路などへの遠征が必要。気軽に参加することはできないのが現状だ。村田代表は「同レベルのチームが集い、大会が開催されるような環境ができれば」と話す。
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「(安平町の)せいこドームができた年に始めた」と語るのは、安平町出身でチームの主将、新木さやか(38)。地元の少年団でアイスホッケーを始め、西高エンジェルス、東京女子体育大学とプレーし、岩倉ペリグリン(現・道路建設ペリグリン)に入団したが、仕事との両立がうまくいかず1年で退団した。それでもアイスホッケーを続けたい思いでチームを探していたところ、大学時代の後輩が所属していたSWEEPと出合った。
新木は「和気あいあいとしていて年齢の上下も関係なく、みんなで楽しめる」と特徴を語る。「以前は女子にもミドルレベルのチームもあったが、どんどん減っていった。激しいスポーツというイメージがあるけれど、楽しく汗を流し、競技の引退後や結婚、出産を終えた後でも競技が好きでプレーを続けたい選手もいると思う。そうした女子プレーヤーが生涯スポーツとして楽しめる環境が充実すれば」。女子アイスホッケーの発展を願っている。