帯広市を舞台に23~25日に行われた第12回女子日本アイスホッケーリーグ(スマイルリーグ)ファイナルトーナメント。最多優勝を誇るSEIBUプリンセスラビッツが、接戦を制して女王の座に返り咲いた。道路建設ペリグリンは惜しくも準優勝、トヨタシグナスは4位で幕を閉じた。
決勝は道路建設が試合を優勢に進めたが、得点を奪えず0―0のままゲームウイニングショット(GWS)へ。最後はSEIBUに軍配が上がった。3位決定戦ではトヨタが奮闘もDaishinに1―4で敗戦。苫小牧勢の優勝はかなわなかった。
苫小牧対決となった準決勝は、道路建設が6―1でトヨタに快勝した。試合は第1ピリオド、DF細山田がスピードをつけてゴールに切り込み先制。FW本部がゴール前の混戦から2点目を奪い道路建設がリードした。
第2ピリオドは3分すぎ、道路建設のFW輪島がゴール付近にいた細山田のスティック目がけてシュート。GKのセーブ直前で角度が変わるシュートになり3点目の追加点を奪った。逆転を狙うトヨタは、チャンスをつくるも道路建設の堅い守りを前に1点が遠く、苦しい展開が続いた。
第3ピリオドはトヨタのFW佐々木愛が執念の1点をもぎ取ったが、道路建設はFWラック陽が1得点、輪島が2得点を挙げて6―1で勝利した。寺尾監督は「年明けからミーティングを重ね、勝つために何が必要かを話し合ってきた。良いホッケーができていた」と選手をたたえた。
今季は市内大会などでトヨタに敗戦が続いた道路建設。ベテランから若手まで幅広い年代の活躍でシーズン終盤は高い仕上がりを見せた。細山田は「年明けから気持ちをリセットし臨んだ。勝ち切れない苦しい時期を越えてチーム力が上がった」と話す。スピードと高いスキルを武器に攻撃の起点として活躍した輪島。「勝ちにこだわる気持ちを全員が強く持って挑めた。チームのためにスコアを意識してプレーした」と主力の一角に名乗りを挙げた。
トヨタは主軸のFW伊藤麻が「総力では圧倒的に劣る中でも結果を残さないといけない。要所での気持ちの面でも全員が負けていた」と話すようにメンタル面での課題が見えた。
今季はDF志賀葵、FW志賀紅、三浦が海外へ進出し日本代表として活躍している3人のエースが不在のトヨタ。これまで試合に出場機会の少なかった選手らが少しずつ成長を見せ、地区大会では道路建設に白星を重ねてきたが、シーズン終盤に仕上げた道路建設にかなわなかった。
ライバル同士、切磋琢磨(せっさたくま)して成長を遂げる道路建設とトヨタ。今後も互いに良い刺激を与え合いながら、女子アイスホッケー界を盛り上げてほしい。
(石川優介)