自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件は、やっと当事者が出席する政治倫理審査会にこぎ着けそうだと思っていたら、26日の段階では与野党間で公開、非公開の折り合いがついていない。審査会には安倍派、二階派の事務総長経験者、閣僚経験者ら5人が出席することになるものの、公開の在り方で27日午前も調整中だ。説明責任を果たすために弁明するのなら、報道にも公開して国民の見ている前で全容を語ってもらいたい。衆議院の審査会の行方にまずは注目したい。
自民党は両派閥の議員ら90人以上に対して行った聞き取り調査で、還流金を「還付金」と呼称している。認識の低さが表れてはいないか。実態は長く繰り返されてきた組織的な不正だ。もしも審査会で実態解明に結び付く説明がなされないなら、野党は世論を背景に証人喚問も求めてもらいたい。自民党はそのくらいの危機意識と覚悟を持ってほしい。
それにしても、あきれるほどに思い知らされたのは政治資金規制法の緩さだ。法自体、政治家の責任を問うことが難しい立て付けになっている。法律を作ったのが議員だからさもありなんというなら、むなし過ぎる。有権者は、彼の議員に国の唯一の立法機関たる国会の構成員の資格があるのか、いずれ問わねば。(司)