「跳び箱8段跳べた?」「余裕のよっちゃんだった」「今どき(小学生が)そんなふうに言う?」「言うよ」
先日、うちに遊びに来た小学5女児とのやりとり。余裕のよっちゃん。もはや中年以上しか使わない言い回しかと思っていたので驚いた。イカソーメンや盆菓子が大好物というちょっと渋い子なので「例外」の烙印(らくいん)を押しかけたが、あちこちで聞いてみると、割りと今の子どもたちも使うようだ。
朝飯前といった意味合いのこのフレーズは一体いつ頃から、誰が使い始めたのか。そもそも、よっちゃんとは誰なのか。「余裕のよっちゃん酢漬けイカ」という言葉遊びの略?。諸説飛び交うが、よっちゃん自体は誰でもなく「冗談はよしこちゃん」「合点承知の助」なんかと同様、「単なる語呂合わせみたいなもの」という説が最もすっと腹に落ちた。
「よ」から始まるあだ名なら「よっしー」などと語尾に伸ばし棒があったり「りん」とか「るん」とかが付いたりした方が今っぽいがそこは語感重視。ヒット曲「高嶺の花子さん」みたいなものか。いわれが何であれ、新陳代謝が加速する中で脈々と受け継がれるよっちゃんに時代を超え、子どもを引き付ける不思議な引力のようなものを感じている。(輝)