2018年9月の胆振東部地震で大きな被害を受けたむかわ町鵡川地区のまちなか再生を図ろうと、町民有志が主体となって今後のまちづくりについて語り合う初めての「住民懇話会」(通称しゃべり場鵡川)が25日、町役場本庁横にあるオープンスペースで開かれた。オンラインを含め約40人が参加。チャレンジショップや公営塾など既存施設の有効活用や閉店するスーパーマーケットの跡地利用など、子どもから大人までが自由に意見を出し合った。
同地区のまちなか再生について、町は民間事業者から広く意見や提案を求めるマーケットサウンディングで進める方針。加えて住民主体の意見交換の場を設け、意見の反映や合意形成をしやすくする。住民懇話会はこの一環で、町民によるしゃべり場鵡川運営会とともに企画運営し、今後も定期的に開いていく。
第1回は「放課後の居場所」をテーマに議論した。地元のスポーツクラブ関係者や中高生がパネリストとなり、現状を紹介。小学生については「低学年のうちは放課後子どもセンターを利用し、高学年になると、水泳やそろばん、書道など習い事の教室に移行する」と説明。中高生はオンラインゲームをして自宅で過ごすという声が多かった。
これらを踏まえ、鵡川中学校3年の梅津絢さん(15)は「コロナ禍を経て、外に出るという雰囲気がなくなっているのでは」と指摘。「子どもだけでできることや、行くことができる飲食店があれば」と語った。鵡川高校2年の栗山結衣さん(17)は公営塾として利用されているム・ペツ館を充実することを提案し「大きな部屋の利用が少ない。交流する、戯れるといった場所になれば」と言い、同じく目黒滉太さん(17)は「公営塾がもっと使いやすく、行きたくなるような場所になれば」と述べた。
また鵡川地区市街地で3月15日に閉店する「Aコープむかわセレス店」の跡地利用方法を議論。ゲームセンターやカラオケスタジオ、多世代が集まるクラブハウス、カフェなど幅広い意見が集まった。
さまざまな声を基に、中高生が集まる公営塾のWi―Fi(ワイファイ)機能の整備やコミュニケーションができる場を提供しつつ、チャレンジショップなど既存施設を使って中高生が運営できる場を創出する仕組みづくりを行政に求めていくことを確認した。