白老東高校(小川政博校長)の3年生で、仙台藩白老元陣屋資料館友の会会員の加藤雫さん(18)は25日、同資料館を訪れたフィリピンからの訪日客6人に館内ガイドなどを行った。友の会のガイド役からは昨年11月、卒業を控えて引退したが、進路が決まり、この日は時間も確保できたことから活動した。
訪日客は、道内の体験型旅行商品を多く手掛ける北海道宝島旅行社(札幌市)が企画した道東を中心に道内各地を巡る9日間ツアーの客。白老町には最終日に訪れたが、記録的な暖冬で予定していたスノーシュー体験などができなくなったため、町内でのガイドを担当した白老おもてなしガイドセンター(岩城達己代表)を通じ、同資料館の見学に変更した。
加藤さんにはガイドを始めて間もない2年生の秋、ロシアからの訪日客に通訳を通じてガイドをした経験がある。この日も通訳がおり、できるだけ易しい日本語を使って北方警備と陣屋の意義、展示品などを紹介した。
ガイドを楽しんだアラリック・チュアさん(46)は「白老で切腹した侍(仙台藩陣屋3代目代官、草刈運太郎)の人生などに興味が湧いた。陣屋の模型は興味深く、本物の陣屋を見たいと思った。アイヌ文化にも興味があるのでまた白老に来たい」と話した。
ツアー客が到着するまで緊張していた加藤さんは、ガイドを終えて「通訳の存在が心強く、安心してガイドができた」と、ほっとした表情。春には観光系の仕事に就くために後志管内に引っ越す予定で、同資料館での活動は卒業前日の29日、胆振管内の社会教育主事を前に行うガイドが最後になる。「白老東高に地域学の授業があったから、白老に興味が持てた。ガイドに関わることができてよかった」と笑みを浮かべた。