白老町立国民健康保険病院が夜勤看護体制の不備を北海道厚生局から指摘され、過去2年間の診療報酬の一部返還命令を受けた問題で町は21日、臨時記者会見を開いた。大塩英男町長は慢性的な看護師不足の結果とし、「夜勤従事を可能とする看護職の安定確保に取り組む。町民の信頼を損なう事態が続いており、責任を痛感している」と陳謝した。
昨年10月に北海道厚生局の立ち入り調査で、病棟看護師の夜勤体制が施設基準を満たしていないことが指摘された。夜間病棟看護には看護師2人以上の配置が義務付けられているが、同院では看護師2人のうち1人が救急外来対応に当たると、夜間病棟看護は1人で対応していた。調査期間に当たる2年間分の診療報酬で過剰受給をしていたため、差額の返還を求められた。
返還対象は五つの保険機関の計2022件と患者個人の計408件。返還見込み額は計1億2586万円とし、新年度予算の一般会計から病院事業会計へ繰出金として支出し、4月以降に個人や健保機関に返していく考え。
会見で町は、同院では施設基準を取得した2012年9月から約11年間にわたり看護師の夜勤は2人体制だったと明らかにした。村上弘光事務長は「勤務管理と厚生局への届け出は看護師が中心に行っていて事務局としての確認が不足していた」との認識を示した。過去の調査における指摘の有無については「看護配置について指摘はあったが、救急外来に特定した指摘は受けていなかった」と述べた。
町は20日付で村上事務長を訓告、同局の調査当時の事務次長を厳重注意とした。