安平町誘致企業会主催の経済セミナーが21日、町追分公民館で開かれた。トヨタ自動車北海道(苫小牧市)の北條康夫社長が「地域とともに未来を拓(ひら)くモノづくりin北海道」と題して講演し、脱炭素への取り組みなど同社のチャレンジについて語った。
町共催、町商工会、道央産業振興財団後援。町内外から約80人が参加した。
北條社長は、自動車業界を取り巻く環境として今後、電動ユニットの生産拡大が進むが、「電動車はガソリン車に比べて部品点数が大幅に少ない」と課題を指摘。「今の延長線上では生き残れない。既存事業を発展させた地域連携のビジネスに挑むことが必須だ」と説いた。
また道内の展望について、全国平均を上回る人口減少の課題がある一方で「日本の食糧基地であり、再生エネルギーを生み出す可能性に満ちている。未来の日本に大きな役割を果たしていかなければいけない」と語気を強めた。
住環境、豊かな自然、レジャー面での魅力も挙げ「一次産業や食、観光、ものづくりのコラボレーションによる新たな価値の創造が必要」と強調。アドバンテージを生かした新たな付加価値の創出や2035年までに生産拠点とする工場でのカーボンニュートラル達成、全員参加のデジタルトランスフォーメーション(DX)など「脱炭素をチャンスと捉え、未来に向けてチャレンジしている」と述べた。