下肢(脚)と上肢(腕)で行う運動負荷試験の精度を比較した結果、上肢では心肺機能を過小評価することが分かったと、大阪公立大の研究グループが発表した。
運動負荷試験は、心肺機能が手術や運動に耐えられるかを評価するために実施する。通常は下肢で行うが、けがなどで下肢が使えない場合は上肢での評価が求められる。しかし、両者の評価精度には差があるとされる。
研究グループは、同大生で上肢を鍛える男子ボート部員9人、下肢を鍛える男子サイクリング部員8人を対象に、下肢と上肢で評価した運動負荷試験の精度を比べた。
その結果、心拍数と酸素摂取量で評価した心肺機能の推定値は、両部員とも下肢に比べ上肢で低く、上肢のトレーニング状態にかかわらず心肺機能は過小評価された。研究グループは「心肺機能などの評価のための運動負荷試験では、上肢は下肢の代わりになれない」と結論付けた上で、「上肢試験での結果から、下肢運動が困難な人の心肺機能を予測する方法を確立したい」としている。
(メディカルトリビューン=時事)