天使の梯子

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  • 2024年2月20日
天使の梯子

  先日、苫小牧西地域から国道36号を通って車で出勤途中、「天使の梯子(はしご)」という自然現象を目にした。太陽が雲に隠れている時に、雲の切れ間から地上に向かって放射線状に差す光のこと。スポットライトで照らされたような光の帯を幾筋も海上に伸ばし、神々しく見えた。名前はイエスの弟子の一人が夢の中で、空から光の梯子で上り下りする天使を見たという話が由来になっている。

   一般には「薄明光線」と呼ぶ。空気中にあるちりなどに光が当たることで、その部分が周りより明るく見える現象。昨夏ごろから雨上がりに空を見上げていたが、よく目にするようでいて意外にお目にかかれない。今回は幸運だった。

   ロシアのウクライナ侵攻から間もなく2年を迎えるが、戦火は少しも衰えない。ここに来て米国の支援が滞り始め、ウクライナやその支援国にとっては予断を許さない状況が続く。中東では、イスラエルのガザ地区への侵攻開始から4カ月がたつ。民間人の巻き添えもいとわない過剰とも言える攻撃に国際社会から批判の声も上がるが、誰も止めることができず、悲劇が積み重なる一方だ。

   戦時下の国・地域にミサイルではなく、空から明るい光が伸び、幸せを運ぶ天使が早く下りてくることを願う。(教)

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