白老町健康福祉課は19日、町東町のいきいき4・6で、町民生委員児童委員協議会の会員を対象に手話講座を開いた。約20人が参加し、町社台のNPO法人ウテカンパの手話通訳者、田村直美代表(52)と町虎杖浜在住の聴覚障害者、吉原和香奈さん(38)から当事者にとって必要な手話の位置付けや日常で使える手話を学んだ。
田村代表は、聞こえにくい人、聞こえない人は人の口の形と前後の文脈から推理しているため、例えば「1時」と「7時」の違いが分かりにくいことを説明し、手の形を加えて伝える手話の重要性を訴えた。
吉原さんは「ゆっくり、はっきり話してくれる友人もいるが、多人数になると手話なしには会話の流れに追い付けない。手話を覚えたことで交流の世界が一気に広がった」と語った。
受講者は手話による感情表現やあいさつの基本所作を学び、隣の人と自己紹介し合う練習も行った。参加した虎杖浜の民生委員、加藤造酒さん(70)は「困っている人がいたら助けになるために単語だけでも知っておきたい」と話した。
町は昨年7月に「手話を使って安心して暮らすことができる町」を目指して町手話言語条例を施行。同10月以降、田村代表と吉原さんが講師を務め、町内の小中学校や町職員向けに手話講座を開催してきた。今回を含め計6回約140人が受講している。
ウテカンパの手話講座は町社台のカフェ「ミナパチセ」で毎月第1金曜午後1時、第2金曜午後6時から開催。筆談カフェは第3金曜午前11時から。いずれも無料で出入り自由、約2時間。