ノンレム睡眠の中でもより深い「徐波睡眠」の時間が減ると、認知症の発症リスクが高まる可能性があると、国際共同研究グループが発表した。
睡眠は、脳が活発に活動し夢を見るレム睡眠と、大脳が休息状態にあるノンレム睡眠に分けられる。4段階のステージがあるノンレム睡眠のうち、より眠りが深いステージ3、4は徐波睡眠と呼ばれる。
研究グループは、1995~98年と2001~03年に米国の研究で睡眠の検査を受け、2回目の検査時に60歳以上で認知症がなかった346人を18年まで追跡。睡眠と認知症リスクとの関係を調べた。
検討の結果、1~2回目の検査の間に徐波睡眠は加齢とともに減少し、その速度は60歳以降に加速していた。一方、レム睡眠には変化は見られなかった。また、年齢や喫煙状況などを調整した解析では、徐波睡眠が年間1%減るごとに認知症リスクは27%上昇することが分かった。(メディカルトリビューン=時事)