5年以上の実務経験があり、大学院で専門的な教育を受けた「診療看護師(NP)」を特別養護老人ホーム(特養)に配置することで、緊急で病院を受診する回数が減少するといった効果が見られたと、岡山大などの研究グループが発表した。
特養には医師の配置が義務付けられているが常勤医師は少なく、看護師が医療ケアの主力を担っている。そのため、一般の看護師より高度な処置や検査ができ、知識も豊富なNPが注目されている。
研究グループは、NPを配置した宮城県内の特養を対象に、2019年10月~22年9月の診療データなどを分析。NP配置前後で、救急外来の受診回数や医療費の状況などを比較し、その影響を評価した。
その結果、NPの配置で、利用者の緊急受診回数の減少、不必要な入院を防ぐことによる医療資源の適正利用、医療費増加の抑制などの効果を確認できた。研究グループは「今後の介護施設におけるケアを考える上で重要な知見だ」としている。
(メディカルトリビューン=時事)