白老町虎杖浜にペットと一緒に宿泊できる温泉付きゲストハウス「たらこ湯」の4月開業を目指す吉原和香奈さん(38)は、インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)で改装修繕費258万7000円を集めた。当初の予定より100万円余り多く、超過分は施設設備の充実に活用する考え。「地域の皆さんや友人たちの応援を力に変えて頑張る」と張り切っている。
吉原さんは長野県出身。聴覚にハンディキャップを持ちながら東京都やえりも町職員として働き、2022年1月に虎杖浜地区に移住。取り壊される予定だった民宿の旧玉の井を経営者から譲り受け、改修を進めている。
CFは1月16日から「風呂の日」にちなんで2月6日までの3週間とし、150万円を目標にした。ところが開始から5日間で目標額を達成。次の目標を250万円とし、最終的に208人から258万7000円が集まった。支援者の詳細は不明ながら、多くは出身地や大学、えりも町、白老町で知り合った友人たちからの応援だったという。
多く集まった分は、諦めていた乾燥機とまきストーブの購入に充てる予定で、吉原さんは「支援者の気持ちがありがたい。仲間に支えられていることを実感した」と感謝する一方、責任の重さも痛感。準備をしながら焦りを覚えることもあるが、「お客さまにも地域の皆さまにも喜ばれる場所にしたい」と気持ちを新たにする。返礼品の発送は3月半ばに始め、玄関に「たらこ湯」の看板も設置するという。
ゲストハウスの運営には、大学時代からの友人で会社員の山下純奈さん(38)が春から加わる。山下さんも白老町内に住み、改修作業や返礼品の準備に当たっており、吉原さんは「客室の家具の配置、消耗品の準備、公的機関への諸手続きなど開業に向けた工程を一つ一つ着実にクリアしていきたい」と力強く語った。