安平町追分公民館で17日、農薬や化学肥料を使わない有機農業を通じて食について考える「あびらオーガニックフェスタ」が開かれた。町内外から訪れた約70人の参加者が映画の上映会や有機栽培を取り入れる農家の事例を聞き、有機農業への理解を深めた。
町農業再生協議会が主催。食育の大切さを描いたドキュメンタリー映画「いただきます2」の上映では、とある保育園で園児が有機栽培で作った野菜を給食で食べるシーンが映し出され、子どもたちの生き生きとした姿から食の重要性を学んだ。
生産者の発表では、町内で農業を営む高林優一さんが畑の一部に木を入れて栽培を行う事例などを紹介した。「元気な野菜を食べることで体も元気になる」と健康づくりにも結び付くことをアピールし、現在は「有機米を使って、お酒を造ろうと頑張っている」と話した。
安平町では、昨年4月に道内初となる「オーガニックビレッジ宣言」を掲げ、有機農業の支援などを展開。学校給食で有機食材を活用するなど食育を通じた普及活動も行っている。同協議会の小路健男会長は「有機農業はまだまだ消費者や生産者に浸透していない。行政のバックアップを得ながら情報を発信し、消費者を増やしていきたい」と意欲。及川秀一郎町長は「緩やかかもしれないが、オーガニックの取り組みを町民に広げていきたい」と話していた。
また昼食には、町産の有機米の塩むすびと有機野菜をふんだんに使った豚汁が振る舞われた。