日本対がん協会(東京都中央区)が2023年4~6月に全国のがん診療連携拠点病院に行ったアンケート(回答数256施設)で、98%の施設が認知症のがん患者への対応に苦慮していたことが分かったと、同協会が発表した。
超高齢社会を迎えた日本では、認知症を有するがん患者が増加している。今回の調査は、がん診療現場における認知症対策の実情を把握する目的で行われた。
その結果、「入院前後に認知症の検査を実施している」施設は22.1%だった一方で、退院後に行っていたのはわずか3.5%だった。また、認知症のがん患者への対応で困った経験がある施設は97.7%に上り、「患者が治療について判断できない」「在宅治療を支える家族がいない」などの回答が多かった。調査では「がん患者の認知症対策は途上にある」とした上で、「認知症患者への支援などについては、どのようなことが望まれているか、ニーズを把握する必要がある」と指摘している。
(メディカルトリビューン=時事)