下半身圧迫が心拍数を調整する仕組み解明

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  • 2024年2月15日
下半身圧迫が心拍数を調整する仕組み解明

  立ち上がったときに心拍数が上昇し、動悸(どうき)や立ちくらみなどの症状が表れる体位性頻脈症候群(PОTS)。下腹部や脚を圧迫することで症状が軽減する仕組みの一部を解明したと、信州大の研究グループが発表した。

   PОTSは若い女性に多く、慢性化すると多様な症状が表れ就学や就業にも影響が及ぶが、詳細な病態は明らかでない。研究グループは、健康な女性39人(平均年齢20・9歳)に(1)弾性ストッキングをはいて脚を圧迫した状態(2)はかない状態_であおむけの姿勢から起き上がってもらい、心拍数を制御している自律神経機能への影響を調べた。

   その結果、(1)の方が起立時の心拍数増加が少なかった。さらに解析したところ、圧迫により緊張時に優位になる交感神経の興奮が抑えられ、リラックス時に優位になる副交感神経の活動の低減が抑制されていた。特に、交感神経の活動の抑制が心拍数増加の抑止に関連していることが分かった。

  (メディカルトリビューン=時事)

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