白老町大町6の理美容店「ヘアーサロンオグラ」は、1965年創業の小倉理容院時代を含め来年で60年という老舗。初代店主の亡き後、店を継いだ小倉サヨコさん(82)と、現店主で長女の理容師、渡邉調(つぐみ)さん(55)、次女で美容師の吉井典(のり)さん(54)の母娘3人で来客の美しさに磨きをかける。白老町は人口のほぼ半数が65歳以上で車の免許を手放した人も多いことから、予約制による車の無料送迎も行っている。
初代店主の小倉富男さんが77年に37歳の若さで逝去し、サヨコさんが2女を育てながら切り盛りしてきた。女性スタッフが2人いたがサヨコさん一人で働く時間も多く、少女時代の調さんも忙しいときはできる範囲で手伝っていた。調さんは高校生のときにパソコンや簿記を覚え、5年ほど社会人経験をした後、苫小牧市内の理容学校で資格を取得し、30年ほど前から店を任されてきた。
A4判に手書きした情報紙を毎月発行し、2月で105号を数える。定休日のお知らせとともに美容の最新情報や健康のアドバイスを載せ、理容師と美容師がいる店の強みをPR。調さんは「『つぐみ店長』の名前でブログも更新していて予約状況も確認できる」と情報発信に努める。
典さんは苫小牧市啓北町で美容室を経営していたが、体調を崩したことを契機に店を畳み、2022年から姉をサポートしている。「女性中心にカットをしてきたので男性客に戸惑いもあったが、実家の安心感もあり、今は楽しく仕事している」と語る。
サヨコさんは「親子3人で無理せず、でも85歳くらいまで働きたい」と笑う。20年来の常連という町高砂町の50代女性は「仕事もいいし、話も面白くて相談にも乗ってくれる。身も心もきれいにしてくれる感じ」と太鼓判を押す。
調さんは「常に新しいメニューや技術を習得するため勉強の毎日だけど、充実している。お客さまの髪も心もすっきりしてもらえるような店でありたい」と話している。
無料送迎は社台地区から北吉原地区辺りまでを想定しているが、電話で相談に応じる。予約、問い合わせは同店 電話0144(82)2722。平日午前9時~午後6時半、土日祝日は同6時まで。毎週火曜と第2、3月曜定休。